
最初にお伝えしますが、今回の「図解 3ステップでできる 小さな会社の人を育てる人事評価制度の作り方」は本当にめちゃくちゃ参考になりました。
元々、何かのきっかけで購入していたのですが、年末にたまたまオフィスの本棚にあったのが目に入って年末年始で読みました。いまのタイミングに完璧にハマるないようで、そもそもこれだけ内容もよくてかつ、読み手のことを考えて読み手がactionしやすいように分かりやすく解説できている本はそんなにないのではないでしょうか?
著者含めて作り手の愛を感じました。
今回の内容は購入を検討している方の参考になればと思って書きますが、ぶっちゃけ絶対に買って欲しいです。
断言できるだけの価値があります。
個人的には、この内容を徹底して実践していきます。ちょうどこれから社員の育成ステップを考えていくことになるので、この本に出会えたことでかなり時間の短縮になりました。
中長期的には、この本の内容を参考に、社員がわくわくすることを大前提に業績の面でも大成長できる会社にしていけたらと思ってます。
目次
1、どのような方に特にオススメしたい本か?
10年以上会社を成長させ続けたいと思っている会社経営者、もしくは会社役員、さらには人事担当の方におすすめです。
2、なぜか?
中小企業においては、成長との兼ね合いでこれまで以上に人材の重要性が高まっています(ちなみに、著者はあまりにも人材が重要なので人は財産であるという意味で「人財」と言っています)。
ただ、人の問題は常に中小企業の経営者の悩みの種です(僕もそうです)。
この本は、ビジョン実現型人事評価制度こそが人の問題に関する決定的なソリューションであると極めて論理的説得的に解説してくれています。事例が多いことも納得感が高まります。
なお、本の中では、ビジョン実現型人事評価制度を導入することで具体的に以下のような効果があると記載されています。
- 理想的な組織が出来上がる→理想的な組織とは、みんなが同じ目的を持って進む組織
- 自然とリーダーが育つ
- 成長したいメンバーだらけになる
- 欲しい人材が採用できる→採用人材のミスマッチが少なくなる
- 女性が活躍する会社になる
もし、会社を爆発的に成長させたい、社員を幸せにしたいとお考えなら絶対読むべきです(そうじゃなくても中小企業の経営者の方には読んで欲しいです)。
3、オススメ度は?→星10個で
読むタイミングがバッチリだったことでバイアスかかっちゃいますが、星10個です。
おそらく今後星10個つけることはないかと。
★★★★★★★★★★
※★のオススメ度は以下の通りだと思って頂ければ
★10つなら絶対買って欲しい
★9つなら後悔することはないでしょう
★8つなら超オススメ
★7つならかなりオススメ
★6つなら買って損なし
★5つなら「買ったほうがいいです」というレベル
★4以下のものはこのブログでは紹介しません
これまで読んだ本の中で星10個付けたいと思ったのは新史太閤記(司馬遼太郎著)で、豊臣秀吉を尊敬するきっかけになったくらいインパクトを与えてくれた本ですが、匹敵するインパクトがあった。
4、本の概要
今回の本では、ビジョン実現型人事評価制度を通じて人が育つ企業になる方法について説明されています。
先ほどから何度もお伝えしてますが、「読めばできる」レベルで論理的に分かりやすく解説して下さっています。
具体的な内容は以下の通りです。
- ビジョン実現型人事評価制度を採り入れるメリット→先ほど「2、なぜか?」で記載しました
- ビジョン実現型人事評価制度を採り入れる3ステップの全体像
- 1ステップ目→ビジョン実現シートの作り方
- 2ステップ目→ビジョン実現シートをベースとした人事評価制度の作り方
- 3ステップ目→人事評価制度の運用方法
以上の内容が大変分かりやすく、かつ読んだだけでもできるように解説されています。
このレベルまで言語化されていることはほぼないと思うので本当に素晴らしいと感じました。
5、個人的に参考になった点は?
※オススメしたい方が参考になるであろう点とは異なると思うのでご注意下さい、という前提で→主張と根拠と具体例の一貫性
ここでは参考になったエッセンスだけ紹介させて下さい。
そしてこの内容は個人的にめちゃくちゃ参考になりました。徹底して実践していきたいと考えてます。
(1)ビジョン実現シートを作成する
書籍の中の画像を引用させて頂きますが、まずは以下のようなビジョン実現シートを作ります。
出典:図解3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方(山元浩二著・あさ出版)
ここでは経営理念や基本指針、行動指針など以下の12の項目を考え、まとめて記載していきます。
- 経営理念
- 基本指針→経営理念を実現するための「会社の」姿勢・心構え
- 行動理念(行動指針)→経営理念を実現するための「社員の」姿勢・心構え
- ビジョン→5年後の会社の姿。数字で表せる定量的なビジョンと定性的なビジョンを用意する
- 事業計画→事業計画は別途作るが、ビジョン実現シートでは現時点と3年後と5年後の主要な数字(売上、経常利益、経常利益率等)を記載
- 経営戦略→事業計画で掲げた数字を達成するための具体的な方法・仕組み
- 現状の人材レベルの確認
- 5年後の社員人材像を明確にする
- 7と8のギャップを埋めるための具体的な方法
- 人事理念
- プロジェクトコンセプト(個々のプロジェクトの目標を明確化したもの)→社員がわくわくするものであるべき
で、この本が秀逸だと思う点の一つがこれら1〜11の構造が非常にロジカルだということ。
1があり、1を実現するために2を考える必要があるということで、続いていき、経営計画書の位置付けにある内容(1〜6)が最初に決まることで、7〜11の人材育成計画にあたる内容が明確になる。
つまり、「ビジョン実現シート=経営計画書+人材育成計画」という関係です。
そして、これがベースとなり次の人事評価制度に続いていく。
個人的にはこのビジョン実現シートを2018年1月中に完成させたいと思っています。
(2)ビジョン実現シートをベースに人事評価制度を作る
次が人事評価制度を作るステップです。
そもそも人事評価制度の項目は以下の4つです。
- 業績項目→業績に直結する数値にあたる評価軸→これはさらに業績結果項目と業績プロセス項目に分類できる→個人の営業売上などがこれにあたる→これは会社としての事業計画と連動する
- 成果項目→業績に直結するが数字では表すことができない役割、仕事→論理的な企画提案がきちんとできたかなど
- 能力項目→事業計画通りの業績を実現するために必要な能力、知識、資格など→例えば、リスティング広告が運用できるかなど
- 情意項目→仕事に対する姿勢→経営理念をきちんと理解しているかなど
この人事評価制度を以下のステップで完成させていきます。
- 経営計画発表会
- ジョブヒアリングシート→社員に現状をヒアリングする
- グレードと仕事レベルを明確に
- 評価項目を作成
- 業績項目を作成
- 事業計画を実現するための成果項目を作成
- 業績を生み出すために必要な能力項目を作成
- 情意項目を作成
- 5〜8のウェイトを業種ごとに決める
個人的にはこのステップを2018年2月で進めて人事評価制度を完成させたいと考えてます。
(3)ビジョン実現型人事評価制度を運用する
作ったら次に運用です。
著者は作成:運用=2:8で運用の重要性を説いています。
作ったものが社員に受け入れられることはないとのこと。
アンケートという形で社員のフィードバックを受けつつ人事評価項目を改善していく。
PDCAサイクル的に、以下の流れで改善していきます。
評価は四半期に1回行なっていく。
- 評価の実施
- 評価者同士の基準を揃える「育成会議」
- 育成面談
- 課題を明確にして次の評価のタイミングまでの目標を決める
- 毎月コツコツ面談
(4)さらに素晴らしいのが雛形のCD-ROM付き
しかも、CD-ROMで事業計画やビジョン実現シートがダウンロードできることはかなり嬉しい。これもまたかなりの時間短縮になって嬉しいプレゼントです。
まとめ
今回は「図解 3ステップでできる 小さな会社の人を育てる人事評価制度の作り方」の書評を書いてみました。
何度もお伝えしてますが内容も素晴らしいし、分かりやすく伝えていることも素晴らしい。
少しでも気になってる方は是非購入して下さい!