時代に即した効果的なPRを学べる!「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」の書評

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今回は「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」という本を紹介します。

平成2017年11月〜2017年12月までこの本を読みました。読みたいと思ったきっかけは会社のフェーズとしてもっとPRを意識していきたい段階であることと、著者である本田哲也さんの著書は約8年前に拝読していていて印象に残っていたからです。

今回は、こちらの書籍の購入を検討されている方の意思決定にご参考頂ければというのと、自分自身がアウトプットすることでより理解を深めたいという趣旨で書評をまとめてみました。

1、どのような方に特にオススメしたい本か?

PR・広報の方はもちろん、マーケティング・広告に携わる方に読んで頂きたい本です。

2、なぜか?

この本はあくまでPRについて書かれた本ですが、近年PRと広告の垣根はなくなっており(個人的にはマーケティングという定義の中にPRの概念も広告の概念も含まれると考えています)、PRも広告も併せて総合的な戦略を考えることが重要だからです。

3、オススメ度は?(★5段階で)

7です。性格上8以上は滅多に付けないと思います。。。かなりオススメ。

★★★★★★★☆☆☆

※★のオススメ度は以下の通りだと思って頂ければ

★10つなら絶対買って欲しい
★9つなら後悔することはないでしょう
★8つなら超オススメ
★7つならかなりオススメ
★6つなら買って損なし
★5つなら「買ったほうがいいです」というレベル
★4以下のものはこのブログでは紹介しません

4、本の概要

戦略PRという概念が広まったのは2009年の著者の前著である「戦略PR 空気をつくる。世論で売る。」がきっかけだったと思う。2009年から8年が経ち、世の中はかなり変わった。スマホが普及し、SNSが社会に与える影響が強くなった。

そのような世の中で著者は今のPRは「買う理由のマインドシェアの奪い合い」だと言う。
高度経済成長期と異なり商品のコモディティ化が進んでいる。どの商品もあまり違いがないのだ。そんな中でPRの役割は購買という行動を起こさせること。その目的を達成する手段の一つがPRで、具体的には「買う理由」をいかに作るかとなる。

そして買う理由を作るための手段が以下の6つの要素。

  1. おおやけ
  2. ばったり
  3. おすみつき
  4. そもそも
  5. しみじみ
  6. かけてとく

さらに、買う理由を芽生えさせて「ビヘイビアチェンジ(行動)」を起こす。これがPRの究極の目的とのこと。

5、個人的に参考になった点は?

※「1、どのような方に特にオススメしたい本か?」で記載した方が参考になるであろう点とは異なると思うのでご注意下さい。

正直言って多くのビジネス書が体系化されてない(再現性がない)中で、この本は戦略PRという概念をかなり体系化して下さっている。

リソース(適切な思考ができるヒトがいること、カネがあること)があれば、この本を読んだだけでそこそこのPRができるケースもあるかもしれない。もちろん絶対にそんなに甘くないが、そのくらいの意識で本田さんはこの本を書いてくれてると思う。

ただ戦略PRというのは本当に難しいんだと思う。なぜなら、(色々な事情で出せないのかもしれないが)本田さん自身の事例があまりないからだ。

とはいえ、僕なりには様々な観点で参考になった。特に以下の2点。いずれも「何となく思っていた」ことだけど、著名な方が言語化してくれると「やっぱりそうか」とちょっと自信がつく(笑)

(1)いまの戦略PRは「買う理由のマインドシェアの奪い合い」

定義が人それぞれなので異論は出てしまうと思うけど、個人的には「マーケティング=顧客に望む行動をしてもらうための、あらゆる企業活動」だと考えている。そうすると、マーケティングという言葉は広告やPRという概念を含むものだと思う。

戦略PRが「買う理由のマインドシェアの奪い合い」という話があったが、これはマーケティングの目的の一つでもある。このことは言語化できてないもののずっと思っていたことなのでこの本を読んで腑に落ちた。

お金を使うことにはネガティブなイメージが付きまとうことも多い(大切なお金を使う価値があることなのか判断がつかないから)。だからみんな買う理由=言い訳が欲しいと考えている。戦略PRは(そしてより大きな概念でいうとマーケティング)その言い訳を作ってあげることが目的であり、さらにその先の究極的な目的としては購買というビヘイビアチェンジを起こしてもらうことになる。

ただ、情報が溢れた現代ではビヘイビアチェンジを起こして購買まで結びつけるのにPRの力だけでは難しい。だからこそ、広告も含めた精緻なマーケティング戦略の構築が重要になるはず。

(2)「かけてとく」という概念

これも前から思ってたけど、営業でいう「アイスブレイク」これで笑いが出て面白いと思ってもらえると提案がより刺さりやすくなる。つまり、「受容効果」があるのだ。

「かけてとく」にも同じ効果があると本田さんは仰っている。

つまり、ウィットに富んだ(一休さんの「とんち」のような)PRができると、笑いとともに「一本取られた」となり、ひいては相手の主張を受け入れやすくなるのだ。

営業のアイスブレイクだと1対1に近い(地上戦的な)感じだけど、PRでできれば空中戦(1対多)が可能になるからレバレッジが効く。ということで、「かけてとく」な要素があるPRができると効果は大きい。

ただ、なかなか「かけてとく」なとんちは難しい。本を読んでも再現性あるやり方を得られそうになかった。難しいからなかなかできないけど、できるようになった際のリターンは大きい。ということでハイリスク・ハイリターンだけど、自分なりにどうしたらこれができるようになるか、フレームワークを作れたらと思った。

まとめ

今回は「戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則」の書評をまとめてみました。
まだまだ自分の理解が浅いかもなので、何回か読んで深く理解し、会社が発展していく際に活用できればと思ってます。
あと、この本を買おうか悩まれている方のご参考になれば!

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